愛知室内オーケストラ 第59回定期演奏会

 プログラムが発表されたときからとても楽しみにしていた演奏会。それはひとえに(若手ヴァイオリニストとして以前から注目している)「石上真由子さんがアルバン・ベルクのヴァイオリン協奏曲を弾く」という好機を逃してはならない、という強い思いなのであったが、その演奏への期待は想定を遥かに超える音楽的充実感でもって叶えられた。それは作品の持つヘヴィーなテーマ、ヘヴィーな音楽世界を一手に背負う責任を担い、それを完遂したソリストの勝利でもあり、彼女とともに作品の世界を構築し、それを完全に近い形で達成した愛知室内オーケストラ、そして統率した指揮者である小林資典さんの勝利でもあった。更に言えば、第1楽章11小節目以降のコントラバスの重要なソロ(席次表によると池松宏さんが担当)が、曲のリチュアルな性格を如実に表現していたことで、この日の演奏が勝利に終わることを予感できた。セリーだったりコラージュだったり舞曲だったり、走馬燈のように登場しては消える幾多のモティーフが丁寧かつ対等に扱われ、それによってアルバン・ベルクの音楽が流れを損なうことなく表現されていた、という事実が素晴らしかった。音は触ることができないものだけど、そのことが手に取るようにわかった。これはとても貴重な体験であった。
 この体験はベルク作品以外でも同様であった。シェーンベルクのワルツ集は「こんな作品があったのか!」というサプライズであった(ヴィオラの加納明美さんGJ!)し、休憩後のシューベルトモーツァルトの2曲も、音楽自体の持つ性格を十分に表現していた。これは小林さん率いるオーケストラ団員一同の水準の高さ故であろう。愛知室内管は先月、日本オーケストラ連盟の準会員となった、とのことで今後の活動に期待したいところであります。


Program Note;
Date: July 1, 2023
Venue: Shirakawa Hall, Nagoya
1. Schönberg: Walzer für Streichorchester
2. Berg: Violinkonzert
3. Schubert: Overture im Italienischen Stile D.590
4. Mozart: Sinfonie D-Dur Köchelverzeichnis 385 „Haffner-Sinfonie“
Violin: Mayuko Ishigami
Conductor: Motonori Kobayashi
Aichi Chamber Orchestra

 

 

(余白)

このあと晩ご飯に寄った「納屋橋リバーサイド」。以前から名古屋で晩ご飯タイムに必ず「マルコ」の暖簾をくぐってたのだが「きょうは満席です…」と言われ撃沈する、ということの繰り返し。今回は最近新規開店した系列店の「納屋橋~」にお邪魔したが大当たり!前菜盛り合わせについてた茗荷が激うま!その奥にかすかに映ってるだけで誠に申し訳ないが串焼きも激うま!写真にないけどレタス巻き最高!

 

茗荷も美味しいがそれにつける味噌だれウマし!

さらに酒のラインアップも素晴らしくて激うま!

「司牡丹 裏 純米生酒」。よくみたらラベルの字が裏返し(笑)。

そして〆にトウモロコシごはんを頼もうとしたら品切れとのことで代わりに頼んだカレーがまた美味いんだなぁ~。

このカレーだけで生計が成り立つ、と思うほどのポテンシャルの高さ。


口にするもの口にするもの平均点高い!また機会があれば行きたい。